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  お洒落にサバイバル

はじめまして、七尾藍佳です。
私はアメリカで生まれて、いろんな国と日本を行ったり来たりして育ちました。
そんな中で、右も左もわからない外国の土地で自分を助けるのはまず何よりも「ファッション」だという信条を持つようになったんです。
ファッションに関して言えば、私は物心ついたときからファッション画の真似事を「ウラ紙」に描きまくったり、一条ゆかりの『デザイナー』を読んでファッション界が自分を呼んでいる(笑)と思ったりする少女時代を送りました。
たぶん「ブルーミング・マーケット」のサイトをチェックされている貴女も生まれながらの「ファッション・フリーク」なはずだから「わかるわかる」ってうなずいていただけるのではないでしょうか。
私の母もファッション・フリーク。
もちろん買うわけではないけれど、わざわざ「シンプソン夫人」(イギリス王室皇太子に「彼女無くしては国王の任務を遂行することはできません」と王位を辞退させたバツイチアメリカ人女性です、言ってみれば「元祖セレブ」)のジュエリーコレクションのオークションカタログを取り寄せて娘たちと眺めたりしていました。
ジャクリーン・ケネディ・オナシスはなぜあんなに魅力的なのか、とか、そんなことを家族で日常的に話しながら育ってきました(ちなみにジャッキーは高級プレタポルテから安物のTシャツに到るまで、全て自分の体にぴったり合うように、馴染みのテイラーに直してもらっていたようですよ、だからカジュアルからフォーマルにまで、どんなときでも「かんぺき」だったんですね)。

父の仕事で新しい国への移動が決まったとき、そんな風に培われた「ファッション感覚」がいつも私を助けてくれました。いわゆる「帰国子女」って日本に帰ってくるといじめられます。
その理由はなんだろうかって考えたんだけど、「見るからに他の子と違う」からなんですね。
だって小学校のときに、他の子がランドセル背負ってるのに、当時アメリカで流行っていた「GUESS」のコットンバッグを持ってたらそりゃあ「何だアイツ!」ってことになりますよね。
小学生でも「TPO」って必要。
「オシャレ」ってやっぱり「その場にそぐう」必要があるんですね。逆に言えば、「おしゃれな子」ってどこの国に行っても大抵「人気者」です。
だから海外で日本人が生き抜く方法の一つは、「オシャレ」であることだと思います。

イチロー選手も、中田英寿さんもやっぱりオシャレです。
中学三年生でアメリカに引っ越したとき、転校先のハイスクールで、英語はそんなに話せないんだけど人気者のポーランド人のアナという女の子がいました。
1995年ごろのこと。当時アメリカのオシャレ人たちがこぞって聞き始めていた「ピチカート・ファイブ」もいち早く聴いていたアナ。
「あの子オシャレだな、なんか気になるな」と思わせることができたら儲けもん、そこから友だちも増えてゆく。
私も彼女の魅力に引かれて仲良しになり、色んなことを学びました。
ポーランドは社会主義からやっと脱したばかりで、日本やアメリカみたいにブランド品があふれているわけでもなく、学生は古着などを思い思いにアレンジして流行のファッションに変えてゆく。
だから新しい国アメリカでも、アナはいいものを安く売っている古着屋さんを誰もよりもよく知っていました。
ジーン・セバーグみたいなベリーショートで、ファンキーかつパンキッシュなファッションだけど、いつも上品さを兼ね備えたアナ、今はファッション関係の仕事をしていると風の噂に聞きました。

じゃあ私はと言えばどんなファッションかとういと、アナみたいな「ファッション・アイコン」のような人のそばにいながらちょっとした小技を盗みつつ、基本は絶対「コンサバ」と「エレガンス」です。
ちょっとBガールっぽいファッションとか、昨年流行った「セレブ」なファッションもしたりしたけど、結局「ネイビー」「ブラック」「白」「ベージュ」「ジャケット」「トレンチ」に戻っちゃう。
アメリカの高校生だった私は、バナナ・リパブリックとかが好きでしたね。
日本に進出したのは最近だけれど、アメリカのショッピング・モールには必ずといっていいほど一店舗あって、大抵ハイスクールの誰かがバイトしていて、その子は人気者だったりするんです。
「あの子、バナリパでバイトしてるから割引で買えるんだよ、いつもおしゃれだよね…」みたいな(笑)。
ファッションて「私はこういう人ですよ」という一番わかりやすい自己主張ですよね。
アメリカでの私は「Aikaはいつも落ち着いていて、頼りになる人、でもどっかずっこけてて変」なキャラだったから、バナリパのカーキのサブリナパンツに、母が若い頃きていたサイケな柄のワンピースを合わせたりしていました。

先日引越しをした際に、高校生のときの「ファッション・スクラップ・ブック」が出てきて、めくっていたら趣味がまったく変わっていないので笑いました。
どれを見ても「往年のハリウッド女優」を参考にしたスタイルばかり。母親の「カトリーヌ・ドヌーヴ」「オードリー・ヘップバーン」「グレース・ケリー」「ジャクリーヌ・ケネディ・オナシス」「シンプソン夫人」といった女性たちこそが「本当のレディ」という洗脳教育(?)のもと、ひたすら50年代〜60年代のフランスやハリウッドの映画をすりこまれ、結果として自分も大好きになったので、「コンサバ・エレガンス」こそファッションの王道である!という信条はこれからも揺らぐことはなさそうです。
「きちんとしている」こと。新しい国、新しいレストラン、新しい会社、新しい出会いにおいて、これほど「無敵」なものはない、というのが、まだそんなに長くもないひよっこ人生だけれど、一応色んな国や仕事で「サバイバル」を経てきた私が学んだことです。

トラッドとロマンチックのほどよいバランスが今年の秋の流行ということで、私は嬉しくってしょうがない。私の一番好きな俳優はハンフリー・ボガートですが(古いとか、ファザコンとか色々言われますけど、やっぱりあのトレンチコート姿に勝るものはありません!)、今年の秋は目指せ『カサブランカ』のイングリッド・バーグマン、男性に「君の瞳に乾杯」されるようなうるうる「目ヂカラ」です。でも「飽くまでカッコよく、かつ清潔」な魅力。
飲み会で酔いつぶれちゃったりなんてもってのほか、男性に手をだされるどころか「乾杯」されてしまうような女性です!…といいつつ、なんかそんなことを目指していたら男性がよりつかなくなってしまいそうだなとちょっと心配になってきましたが…ま、いっか!とにかく目指せグローバルな「カワイイ」そして「キレイ」な女性!これをテーマにこのコラムを連載させていただくことになりましたので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

posted: blooming date: September 18, 2006 1:21 PM|